〜「ほたえる」と間違いなく「さんこ」になるんです〜
子どもというのはやんちゃなくらいが元気があっていいと言われますが、家の中で、はしゃいだり暴れまわることを「ほたえる」とこの地では言います。登場人物が家族だけならば少々「ほたえて」いても、
おかんは「あんまりほたえんときや」と優しい口調なんですが、そこに第三者であるお客様なんかが加わると、
おかんの口調は強く「なにほたえとってんじぇ!」となります。
しかし、これだけじゃないんです。場所が家庭から一歩出て公共の場で「ほたえて」しまうと、
真っ赤な顔をしたおかんの容赦無い怒号「あんた! ほたえたらあかんやろ!!」とビンタを食らいそうな勢いになるんです。
これは子どもへのプライベートとパブリックを区別しなくてはいけないという躾がそうさせるのだと思います。スーパーや公共の場で子どもが「ほたえまわって」いても知らん顔している若いお母さんやお父さんには、昔のおかんが出てきて「あんたら!ほたえさせたらあかんやろ!」と叱って欲しいと思うシチュエーションがしばしば。
家で「ほたえる」とやはり物が散らかってしまいます。その散らかることを「さんこにする」「さんこになる」と言い、
「さんこ」にしたら「ほれみてみぃな。ほたえてやさかいやに」と最後のお叱りのあと
「ほんま しゃーない子やなぁ」と言われながらもおかんと一緒に片付けして一幕が終了します。
家では「もうそれ以上 ほたえんときや! さんこになるやろ!」と優しく叱り、外では「なに!ほたえとってんや!」と強く叱るおかんの声は時代が変わっても「褒めて育てる」時代であっても必要なんじゃないかと昭和のおいちゃんは思います。