シリーズこの地方の言葉②

〜ひだが痛いさかいにでんでん走れへん〜


これは令和3年になって聞いた酒井隆明丹波篠山市長の言葉。
「えっ?ひだってどこやねん」「でんでんて何やねん」
当然初めて聞くとそうなります。
しかし篠山人にはちゃんと理解できるのです。

では「だぶとん」に「どうり」「おでん」に「だんぎょう」はどうですか?
何となくご理解できましたか?
篠山人の特徴として「ザ行」が「ダ行」になる、いや「ザ行」の「ザ ゼ ゾ」が特に使えないのがお分かりになると思います。
「ザ」が「ダ」、「ゼ」が「デ」、「ゾ」が「ド」と言い換えられます。

古くは外来語(オランダ語やポルトガル語)が入ってくる前は日本語には「ザ行」がそもそも存在しなかったとあの金田一春彦氏の説で、今なお和歌山の一部と丹波篠山ではその混乱が残っているとされています。
現実篠山人の多くが今なお「ザ行」が「ダ行」になっているのが見かけられます。
それを踏まえると前述の例はお分かりになると思います。
「膝が痛くて全然走れない」「座布団」に「草履」「お膳」に「残業」ということです。
ローマ字変換に苦しむ方も多く、「ザ」を「DA」と入力してしまうそうです。「前進」は「電信」に「全部」は「臀部」に変換されてしまうのです。

もし丹波篠山市長とお会いになられたら、こんな質問をされてみてはどうでしょう。市役所の電話番号は何番ですか?
きっとこう返事されます。
デロナナキュウ、ゴーゴーニー、イチイチイチイチ(0795521111) です」
と。
それから市民センターの市民プラザの番号は何番ですか?
「えーと何やったかいな。せや デロナナキュウ、ゴーゴーニー、デロデロデロイチ(0795520001)ですわ。」
次いでショーン・コネリーが出ていたスパイ映画ってご存知ですか?と聞いてみてください。
「そんなんデロデロセブン(007)に決まっとるがな」と返ってくるでしょう。