シリーズこの地方の言葉⑧

〜「でんちんほい」はどこ行った??-〜


グー・チョキ・パーで始まるいわゆる「じゃんけん」という古来からの遊びの言い方くらい地方色豊かなものはないと言われていました。それがテレビの影響を受け、どこへいっても「じゃんけんで、ほーい」という妙なイントネーションになってしまいました。
当地では筆者の幼いころに限って言えば「でんちんほい」と「じゃいけんほい」が混同していました。
特に「足で行う」ジャンケンは「でんちんほい」と呼んでいました。
二人が対面になって「でんちんほいほーいほーい」と声を合わせ、先攻がグー・チョキ・パーのどれかを足の格好で示し、後攻はそれと同じになれば負けという遊びでした。
「グーは、クロ」「チョキはミッキ」「パーはベッテ」などという独自の呼び方でした。「でんちんほいほいほーい。ミキ・クロ・ベッテ」と先攻が言いながら足を開いて「ベッテ」を示したら、後攻はその時点で「ベッテ」以外の姿勢をとらなくては負けになってしまいます。
これ以上は文章で表現するには無理がありますので、もし丹波篠山で出会う方にはジャスチャー付きでお教えします(笑)


通常の手で行なう「でんちん」「じゃいけん」にも特徴があったんです。
二回目の「あいこ」からは呼び方が変わるのです。
「じゃいけんほい」「あいこでショ」そして次は「しょっしょでしょ」となるのです。それ以降は「しょっしょでしょ」の繰り返しで、長く続くと「っしょ」のみになります。
最初の掛け声が標準の「じゃんけんほい」になっても、「あいこ」の次を「しょっしょでしょ」と言う丹波篠山人は存在します。

足で行なう「でんちんほい」は消えてしましましたが、「しょっしょでしょ」が辛うじて残っていることが嬉しく思います。
これもあの足立義則氏に「足立さーん じゃんけんしましょ!」と声かけてみてください。「あいこでしょ」の次は必ず「しょっしょでしょ」が出てきますよ。

次いでに、「王地山の石段で久々に『グリコ〜』『チョコレイト』『パイナツプル』をやりませんか?」なんて。