〜「ピリピリショッサカイオコカ」〜
これがわかれば間違いなく丹波篠山人。
文字で見ると何のことなのかさっぱりわからないと思います。
しかしこれはバリバリの現役の方言なんです。
「ピリピリ」とは雨が振り始める状態を指し、
「ショッサカイ」は「しているので」の意味、
そして「オコカ」は関西弁の「おく」の変形「おこう」の「う」が無くなったものです。
決して物を「置く」ことではなく作業や仕事を「終える」ことを指します。
で、見出しの意味は「雨が降り始めたのでそろそろ作業(仕事)を終えませんか」となります。
この「ピリピリ」はほんと誰もが驚かれます。「しとしと」でも「ポツポツ」でもなく丹波篠山では「ピリピリ」なんです。
特に主語の「雨」を省く場合が多いので余計に勘違いされます。ただし痺れる場合には「ピリピリする」も使いますよ。
「この山椒、ピリピリするにぃ。」
雨の場合は「ピリピリしよるにぃ」とか「ピリピリしょんに」
「おく」も丹波篠山名物の接尾語「てや」や「け」が付くことも多く、
A「ピリピリしょっさかい、おこか」
B「まだ、もぉちぃときばろかいな」
A「本降りになる前に、おこてや」
B「これだけしといてから おいてないけ」
A「わぁった。ほな ちぃとだけ てったうわ」
B「これくらい てっとてもらわんでもええてや」
A「そうけ ほんなら さき いんどくわ」
こんな会話が田園風景の中でいつまでも飛び交う丹波篠山であって欲しいと願ってこのシリーズをとりあえず「おいとき」ます。
最後に紹介できなかった言葉の数々を・・・
- 「あっかいやい」 だめです
- 「かっためごおり」 代わる代わる・代わりばんこ
- 「ちょちける」 落ち込む
- 「よさり」 夜
- 「ちぃとみな・ちぃと」少しだけ
- 「はた」側
- 「あさまとうから」 朝早くから
- 「ひっさな」 久しく
- 「ごんべす」 いたずらっ子
- 「てったう」手伝う
- 「めんめ」 自分
- 「がいよい」 便利
- 「あかんのんこう」 だめですか
- 「どんなんな」 どうしようもない
- 「いわす」 痛める
- 「だんない」 大丈夫
- 「だっしょもない」 つまらない
- 「まんぐるり」 周辺
- 「いかれころ」 踏んだり蹴ったり
- 「へんねしをおこす」すねる
- 「テレコ」互い違い
- 「とことこ」出来立て・物事が始まった時
・・・・中高生の子を持つ親がほぼ毎朝発する「はよ、おきやー」
残業している部下に上司が発する「はよ、おきやー」
この微妙なイントネーションの違い。たまりません。笑・・・・
緊急事態宣言中のシリーズで始めたのですが、宣言が延長されそのままシリーズも延長という選択もあったのですが、とりあえず終了します。
コロナ禍で世知辛くならないよう、暖かい地方の言葉でコミュニケーションができればと思います。