シリーズこの地方の言葉⑲

〜相手を気遣う「たいてやないなぁ」〜


たまに行く病院の待合所でよく聞く言葉が「ほんに たいてやないなぁ」です。

元気そうな患者さん同士がどうも家のことを話されてるようで
「うちのおばあちゃん いごけんよぉになってしもて」
「なしたこっちぇ〜」
「いかんでもええのに 畑行って こけたったんやにぃ。口だけは達者やさかい かなんのやにぃ」
「ほんに たいてやないなぁ」
「ほんと大変ですね〜」と相手を気遣う意味で使います。


例えば黒豆を炊くことはなかなか簡単なようで難しい作業なんですが、
そんな場合は「黒豆炊いてん、たいてやないなぁ」
とその作業に対してねぎらいの言葉になり、
そして「毎晩毎晩 呑んでん たいてやないなぁ」の場合は
「ほどほどにしとかないと 体壊しますよ」の意味を含んだ皮肉の言葉にもなります。

「緊急事態宣言延長てか? あと一ヶ月も方言のネタないじょ」
「そら、たいてやないのぉ〜」
「ほんま たいてやないてや」