シリーズこの地方の言葉⑭

〜「せやてや」「してやてや」「あかんてや」〜


これまでにも何回か登場したこの「てや」という接尾語。
第三者の行動に用いると「丁寧語」になり、自分の行動に用いると未来・過去あるいは現在完了を強調する言葉になります。

前者の例として
「あの人 いつもこのお店に来てや(にぃ)」(あの人はいつもこのお店に来られてます)

後者の過去を強調する例として
「わしが それをしたてや」(私が確かにそれをしました)

未来あるいは今を強調する使い方は
「あの人やったら でったいに してやてや」(あの人ならきっとされるにちがいありません)
「あかんてや」(絶対ダメです)

この三つを混ぜ合わすと
「あの人 いつもこのお店に来てやけど、神戸の人やなぁ」
「それは 前に聞いたてや」
「ハイカラな人が こんなん買うてけ?」
「べっちょない。 買うてやてや」
「そうけ、ほんならうちも買おか」
「あんたには あかんてや」
このようになります。

今日も丹波篠山のあちこちで「てやてや」がきっと飛び交ってます。